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シルバーバーチの霊訓(四)まえがき

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シルバーバーチに捧ぐ
シルビア・バーバネル

 いまだ御姿は拝さずとも
 あなたは苦しみの時の我が友、我が助言者、我が指導者、我が力、我が慰め ───
 片時として我より離れることなし。

 人の世の悩みを知り、人の心を察し、
 おのれが蒔きし種はおのれが刈るとの摂理に照らしつつ、
人の道を示し給う。

 飾らぬ言葉にていつもあなたは説く ───
 おのれを人に役立てることこそ霊の通貨(コイン)、
愛と優しさこそ神の道へ誘(イザナ)うものなりと。



  まえがき

 霊的交信と言う不安定な関係を永年にわたって維持し続けている数多くの優れた支配霊の中でも、ハンネン・スワッハー・ホームサークルの霊言霊媒モーリス・バーバネルの支配霊シルバーバーチほど広く愛され、しかるべき敬意を受けている霊はまずいない。

 本書の目的はそのシルバーバーチの膨大な霊言の記録の中から、今なお霊的実在の理解へ向けて刻苦している人類にとって不滅の意義をもつシルバーバーチならではの叡智の幾つかを選んでお届けすることである。

 私は当初、すでに出版されている霊言集の中から幾つかの主題に分けて抜粋しようと思った。つまり〝枕辺(ベッドサイド)のシルバーバーチ〟とでも呼ぶべきものが最初の構想だったのである。

 ところが、いざ手がけてみると、シルバーバーチの霊言はそう簡単に扱えるものではないことが分った。大画家、大劇作家、大作曲家と同じく、シルバーバーチというのは常に人間的体験の重大なテーマを扱うか、永遠の普遍的真理を説き明かそうとしているかの、いずれかであることが分かった。

一見些細に思える問題について質問すると、シルバーバーチはすぐにそれを宇宙の大哲理の本流に繋がった支流として扱うのである。

 そこで私は、いっそのことその本流に足を踏み入れて、真理、死、恐怖心、愛、不滅性、人生の摂理、大霊すなわち神、その他いくつかの関連した問題についてのシルバーバーチの言葉を集めることにした。

 さてシルバーバーチの霊言の流暢(リュウチョウ)さについては今さら申し上げるまでもない。経験豊かなさるジャーナリスト(モーリス・バーバネル)の言葉を借りれば───

 「シルバーバーチの教えは言わば霊の錬金術、つまりアルファベットの二十六文字を操って輝かんばかりの美しい言葉を生み出す能力の典型である。年がら年じゅう物を書く仕事をしている人間から見れば、

毎週毎週ぶっつけ本番でこれほど叡智に富んだ教えを素朴な雄弁さでもって説き続けることそれ自体がすでに超人的であることを示している。

 ペンに生きる他のジャーナリストと同様、私も平易な文章ほど難しいものはないことを熟知している。誰しも単語を置き換えたり削ったり、文体を書き改めたり、字引や同義語辞典と首っぴきでやっと満足のいく記事ができあがる。

ところがこの〝死者〟は一度も言葉に窮することなく、スラスラと完璧な文章を述べていく。その一文一文に良識が溢れ、人の心を鼓舞し精神を昂揚し、気高さを感じさせる。

 シルバーバーチは宗教とは互いに扶助し合うことに尽きると言う。神とは自然法則であり、腹を立てたり復讐心をむき出しにする人間的な神ではないと説く。その言葉一つひとつにダイヤモンドの輝きに似たものがある。その人物像はまさしく〝進化せる存在〟であり、全人類への愛に満ち、

世故に長けた人間の目には見えなくても、童子の如き心の持ち主には得心のいく真理を説き明かそうとする。迷える人類のために携えてきたメッセージは〝人のために自分を役立てなさい〟ということしかないと言いつつも、そのたった一つの福音の表現法はキリがないかに思えるほど多彩である。

 永年にわたってその霊言に親しんできた者として、ますます敬意を覚えるようになったこの名文家、文章の達人に私は最敬礼する」

 第一集の Teachings of Silver Birch(後注①)を読んだ英国新聞界の大人物の一人で政治家でもあるビーバーブルック卿 W.M.A. Beaverbrook は当時の交霊会の司会者であるハンネン・スワッハー(第一巻21頁参照)へ宛てた手紙の中で〝文章が実に美しい。そして私はその内容の純真・素朴さに心を打たれました〟と激賞している。

 第二集の More Teachings of Silver Birch (後注②)について Natal Daily News 紙は〝イギリスの言語をこれほど優しく、これほど簡潔に、これほど美しく操った書は滅多にない〟と論評し〝英語による表現の最高傑作の一つ〟として The Book of the Week (その週の推選図書)に推している。

また、その中の一節が〝これだけのものはチャーチルほどの名文家にも書けない〟と激賞されている。

 そしてこの度は Wisdom of Silver Birch (邦訳シリーズ第三巻)が Aberdeen Press and Journal 紙によって激賞され、同じくその文章表現の自在な躍動ぶりがチャーチルの名文にも匹敵すると述べられている。

 確かにシルバーバーチの訓えほど高尚にしてしかも難解さを感じさせない思想は、世界の大宗教家の訓えは別として、他に類を見ない。しかし同時にその大宗教家たちの思想も比肩し得ないものも兼ね具えている。それはシルバーバーチがわれわれの地上とは異なる次元の世界から語りかけていることにある。

 愛他精神と素朴さと叡智に満ち、汎神論に裏打ちされたその明晰な教訓は、常に人生における霊的要素と同胞との関係における慈悲心の大切さを強調する。そして〝無色の大霊〟と呼んでいる神に対する絶対的な奉仕の生活を唱道する。

 シルバーバーチには現代の聖人と呼ばれるアルバート・シュバイツァーに見られるのと同じ、苦しむ人類への献身的精神と全生命に対する畏敬が見られる。同時に(英国の詩人)シェリーの詩を一貫している洞察力の純粋さと、万物に同じ霊の存在を認める思想を見ることもできる。

しかしその二人の稀代の天才とも異なるものがある。二人は、作品と業績はさておくとして、その哲理に普通一般の人間の理解の及ばないものが時として見られるが、シルバーバーチは〝知〟に偏ることがない。繰り返し一貫して説くテーマは〝摂理への従順〟である。

 ではその摂理とは何か。それをシルバーバーチ自身に語っていただくことにしよう。

  一九五五年 ウィリアム・ネイラー


 訳者注①───オースチン編の第一集は『シルバーバーチ霊言集』の題で桑原啓善氏によって訳され、私の『古代霊は語る』と同時発売されている。訳し方に独自の工夫が凝らされていて私の訳とかなり趣が異なるが、差し当たって私のシリーズからはこの一冊だけははずすことにしている。

それで私のシリーズは全十巻となる予定であるが、何度もお断りしているように、原点の十一巻の中には同じ霊言が重複して編集されている箇所がかなりある。

とくにこのネイラー篇は三分の一以上が他の霊言集からの引用で構成されている。それをそのまま訳したのではまったく面白味がなくなるので、私のシリーズではそうした箇所を割愛したり、全体の構成を私なりの判断で日本人向きに工夫を施したりしている。

本書でも重複部分は前三巻でカットしておいたものと置き換え、さらにオースチンの第一集からも関連した部分を引用してある。こうすることで私のシリーズにシルバーバーチの霊言の全部を摂り入れるつもりである。

結局第一集は単行本として訳さず全十巻に分散するという形を取ることにした。その点をご理解ねがいたい。サイキック・ニューズ社からも〝良いと思われるように編集されて結構〟と言う諒解を得ている。

訳者②───オースチンの続編で、次の第五巻に予定している。
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